【清金愼治のBlog】中国ビジネスと技術防衛 「明日のイノベーションに向けて」

2012/11/20 ブログ, 新着情報, 清金 愼治のBlog by kiyokane

中国ビジネスと言えば、リスクが大きいというのが一般的な認識かと思います。様々なリスクがあるのは事実です。よく挙げられるリスクとしては、債権回収の難しさ、労使問題、撤退問題、汚職問題、人治主義、模倣社会等、挙げればきりがないという感じです。

その中で、模倣社会について私見を述べたいと思います。

まず、これからの中国ビジネスの前提としては、製造拠点としての投資ではなく、市場としての戦略的視点からの検討です。製造拠点としては、今はやりのミャンマー等へのシフトが考えられますので、この視点は抜きで聞いてください。

中小企業の方が中国ビジネスを考える時に技術(サービスノウハウを含む)の防衛をどうするかが真っ先に頭をよぎるのではないでしょうか。確かに、技術防衛に対する対応は重要かと思いますので、無防備では行けないのは確かです。

でも、大企業なら費用等をかけて、特許(商標)申請、中国弁護士との協力関係などで少しは対応できるでしょうが、中小企業では対応のノウハウと人的資源も乏しいことでしょうから防衛体制を十分に整えるのはかなり難しいと思います。

ここからは私の全くの私見(極端な私見)ですが、そもそも「技術防衛」を考えていては中国ビジネスに参入などできない、と言うのが結論です。

要するに、技術漏洩(模倣)を前提に戦略を立てるべきかと思います。

中国は、一部の産業(環境、素材など)を除いて外国投資を既に期待していませんが、その代わり、中国企業とりわけ中小企業は中国企業間の競争に晒されて、低価格戦略では優位に立てず、「そこそこ」の高品質が重要と考え、日本の技術を必要としています。

中国企業が正面切って「技術」を必要としているなら、日本企業も求められる「技術」を提供する対応が求められると思います。極端な言い方をすれば、技術漏洩も前提にした「技術の提供」を戦略に入れるべきかと思います。

この考えの前提には、企業が大事にする「技術」が、そもそもその企業にとって10年、20年と「重要な技術」であり続けるのかという疑問です。

イノベーションのスピードが求められる現状にあって、「今の技術」を後生大事に持ち続ける必要はないということです。売れる時に高値で売ると言うのが商売の鉄則ではないでしょうか。

勿論、その企業にとってコアとなる重要な技術は絶対に防衛しなければならないのは言うまでもないです。

それ以外の技術は中国企業に提供し、その対価をもって次の技術開発(イノベーション)に臨むべきかと思います。この戦略をとることが、今の技術にしがみつかず、常にイノベーションを追い求める企業としての戦略を鮮明にできると思われます。

以前にも述べましたが、リスクマネジメントとは、リスクを回避するためのものではなく、如何なるリスクをどの程度までテイクするかという概念と私が考えています。

リスクが大きいから、事業を断念するでは企業の持続的な発展は難しいのではないでしょうか。

また、この考えを持つに至ったのは、上海のある企業の工場を視察した時の工場設備に驚いたからです。先進の工作機械を配置した生産ラインで生産をしており、日本の設備とそん色はないという感じを持ったのです。

つまり、工作機械の進化によって、日本の製造技術の優位性もいつまで維持できるのかなという不安がよぎりました。

日本が技術立国と言うのは今は幻想になりつつあるのではという危機感です。「今の技術を守り過ぎる」と、この幻想が現実化する気がします。

明日のイノベーションに向けて突き進む姿勢が、技術立国としての日本を維持する鍵と思います。

ただし、今回の私の私見には、かなりの反対意見、お叱りを頂くことになろうかと思いますが、あえて公開させて頂きました。

以上

 

 

 


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