マレーシア弁護士会との交流会

2019/02/25 ブログ, 坂元貴洋のBlog, 新着情報 by sakamoto

2月20日、マレーシア弁護士会の副会長含む弁護士18名が大阪にお越しになりました。大阪弁護士会の国際委員会の有志でセミナーや交流会を開催しました。私も国際委員会のメンバーとして、マレーシア弁護士会の方々を新大阪までお出迎えするなど交流会に関わったので、ご報告させていただきます。

1 セミナー

13時30分から15時30分まで、大阪弁護士会館でマレーシアのイスラム金融に関するセミナーが開かれました。講演者は、イスラム金融についてのリーディング・エキスパートであるマレーシア弁護士のMegat Hizaini Hassan氏です。企業関係者が14名も参加され、日本企業のマレーシアへの関心の高さを感じました。
以下では、セミナーで拝聴したことを簡単にまとめてみました。

⑴ イスラム金融の規制枠組み

イスラム銀行業は中央銀行(に属するシャリア委員会)の監督を受け、イスラム資本市場は証券委員会(に属するシャリア委員会)の監督を受けます。これらのシャリア委員会が制定したルールは、イスラム金融機関、裁判所、仲裁者を拘束します。イスラム金融業に関する訴訟や仲裁では、裁判所や仲裁者は、これらのルールを考慮に入れなければなりません。イスラム金融機関などは、これらのシャリア委員会にアドバイスを求めたり、これらのルールについて問い合わせたりできます。

⑵ イスラム金融のスキーム

イスラム金融は金利を取ってはならないため、資金調達の方法を工夫しています。顧客(あなた)がマレーシアで設備機器の資金調達をしたいのであれば、Bai’ Bithaman Ajil(BBA)とMurabahahがあります。

まず、BBAについて説明します。BBAは簡単に言うと信用販売です。最初に、金融業者が供給業者と設備機器の売買契約を締結し、設備機器を購入価格で買います。次に、金融業者は顧客とこの設備機器の売買契約を締結し、この設備機器を購入価格に利幅を付けて売ります。顧客は設備機器を調達できたうえ、この購入価格と利幅を10年後に支払うなど後払いできます。日本でよく使われるローンとは違い、金融業者と顧客の両方に売買契約に基づく代金支払義務が生じるのが特徴です。

次に、Murabahahについて説明します。最初に、金融業者が供給業者から商品を買います。金融業者は供給業者に購入価格を支払い、供給業者は金融業者に商品を引き渡します。次に、金融業者は顧客にこの商品を売ります。顧客はこの商品の代金(購入価格に利幅を付けた価格。この価格はあらかじめ金融業者から顧客に情報が開示されており、両者の間で価格について合意されています。)を後払いで支払います。顧客はこの商品を第三者に売り、その売却代金が顧客にとって調達された資金ということになります。顧客は売却先を探す必要はなく、金融業者が売却の代理人をしてくれます。特徴としては、BBAと同じく、金融業者と顧客の両方に売買契約に基づく代金支払義務が生じることと、初めに売買契約を締結したとき、商品は存在せず、その後製造されるため、商品の仕様が契約書に記載されるのは売買契約締結後になることです。

以上述べましたセールベースのものだけでなく、リースベース、エクイティベースのものもあります。

2 交流会

15時45分から17時20分まで、マレーシア弁護士会と大阪弁護士会国際委員会との交流会が開かれました。お互いに自己紹介をした後、お互いの弁護士会の紹介をしました。

3 懇親会

17時30分から19時まで、大阪弁護士会館の地下にあるレストランで懇親会が開かれました。

マレーシア弁護士の方々には中国人が多いことに気付き、聞いたところ、マレーシアの人種は中国人が約3割を占めるとのこと。だから、マレー語・英語・中国語の3か国語を話せる人も多いとのこと。すごいですね!私なんて日本語と英語で精いっぱいだというのに…(笑)。さらに、すごいのが少しだけど日本語も話せる人もいるということです。昔マレーシアの首相に就任していたマハティール・ビン・モハマド氏(現在93歳!お元気ですね!)が首相に返り咲きましたが、その方が熱烈な親日家だそうです。その影響かもしれません。

マレーシア弁護士の方々の名刺を見ていると、気が付いたことが二つありました。一つは、ADVOCATES(法廷弁護士)&SOLICITORS(事務弁護士)と書いてあることです。マレーシアは昔イギリスの植民地だったため、コモン・ロー(英米法)の法体系だそうです。イギリスでは、法廷での弁論や証拠調べを行う法廷弁護士と、法的アドバイスや法廷外の訴訟活動を行う事務弁護士は明確に区分されています。しかし、マレーシアでは、コモン・ローの法体系ではあるものの、法廷弁護士と事務弁護士を区分していないため、どちらの法務もできるそうです。だから誤解を招かないように、どちらの資格も併記しているのでしょう。もう一つは、マレーシア弁護士の名刺はとてもカラフルだということです。赤や青など色とりどりで、どれが誰の名刺か一目瞭然です。それに比べて日本弁護士の名刺は、地味でどれも同じに見えます…。私たちも名刺をカラフルにすべきなのかもしれません(笑)。

もし仕事でマレーシアに行くことがあれば、今回いただいたマレーシア弁護士会のシンボルマーク入りのネクタイを付けて行こうと思っています。とても楽しく、有意義な時間でした。マレーシア弁護士会のみなさま、ありがとうございました!


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